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人生は一言で語れないぜ!

Dreamerな僕の365日

【短編小説】世界にたった一人

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 世間はカップルで埋め尽くされていた。冷たい風が私の表情を固める。

待ち合わせ場所にはすでに二人の姿があった。それはもう幸せそうな二人だった。

私の友人とその恋人だ。

 

 数ヶ月前に友人に恋人ができた。その恋人を紹介したいと誘われて、友人カップルとご飯に行こうとなり、こうした構図が出来上がった。この関係性の私はどのようなキャラクターでいるべきなのかをシュミレーションしてきたが、結局定まることはなかった。

 

 第三者の立場を意識してしまう時点で幼い恋愛感覚を持っているだろう私は、そろそろ大人の恋愛をしなくてはいけないなと感じる年頃であった。恋愛をしたいと心の底から感じつつも、人付き合いは面倒臭い。恋愛という駆け引きはすごく体力を使うもの。私にはその一歩がなかなか踏み出せないのであった。

 

 誰かと過ごす瞬間はすごく楽しい。誰かに対面するまではすごく面倒臭い。人間関係にこうした感覚を持つようになったのはいつ頃だろうか。きっと、楽しい時間の後に、一人の時間というものを感じるようになったからだろう。

 

 一人の帰り道は寂しいものだ。自分以外の誰かの行動にワクワクしていた時間がなくなれば、こうして表情を固めて、つまらなくなって夜道を歩くのだ。寂しさを埋めるために行きつけの飲み屋に自然に歩き出してみたがこうしたときに限って明かりが落ちていたりする。

 

 この時間に決まって私は感じるのだ。

この世界にはたった一人、私が存在しているだけなのではないのだろうかと。

 

著者:You (@journeyeartj) | Twitter

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